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板タブ越しにアピールする犬 ![]() 先月、恋犬の新刊を読んでくれたお友達の作家さんと、「人間以外の動物は過去や未来の概念がない」という話をしました。 ”明日という概念がないから、未来への不安も、死への恐怖もない、更に言えばより良い明日への望みも特にはない、だから、ただ『今』しかない。” という話です。 『恋する MOON DOG』は、けっこうつらい経験をしている犬が割と頻繁に登場しています。ちょっと前は桃次郎でしたし、新刊の五巻ではおかかちゃんでした。 幸せな生い立ちしか持ってない子も出てきてはいるんですが(ゴールデンのテツとかパグのソラくんとか)しんどい生い立ちの子にスポットが当たるせいでサバイバルな子達が目立ちます。 でも恋犬に登場するサバイバル経験わんこたちは、今は幸せになっている子達ばかりです。これは意識してそうしています。今つらい、そしてつらいまま人生を終える、そういう子たちも確かに存在するのですが、少なくとも恋犬という作品内では絶対に描かない、と決めています。 桃次郎やおかかちゃんのような、つらい境遇から助け出された子たちは、つらい過去があってもいまが幸せなら過去にはさして振り回されず、なんならつらかった頃のことはけろっと忘れて生きています。 犬も猫も、過去も未来も意識せず、「今」だけを生きています。 犬や猫は明日に対する不満も過去に対する後悔や恨みもなんにももってなくて、とにかく「いま」しか見えてないし考えてない、不幸な生い立ちだったりしても今が幸せなら全部幸せだし、年とって体力が衰えてきても今が快適なら未来に不安を感じたりはしていない。 桐の前に飼っていたわんこも保護犬でした。彼は我が家に来る二歳までの間に色々とたらいまわしにされていたおかげで、最後まで分離不安気味な性質が抜け切れませんでした。 生後八ヶ月という若い年齢でどこからか逃げ出してうちにやってきた桐ですら、「これはきっと以前の生育環境が影響してるんだろうな」と思わせられる極端な反応がひとつ抜け切れず残っています。 でもそれは「パブロフの犬」的な、経験から身についてしまった反射であって、犬が過去のことを思い出してつらく感じておこなっている反応なわけではないんです。 未来に関しても同じで、人間のように「この幸せがいつか壊れることがあったらどうしよう」という不安を抱くことはないんです。 そして同じように未来に対する希望を想像することもないので、今遊んでほしい、今ヒザに乗っけてほしいと思ってすがりついた時に「今はダメ。あとでね」と言われても、「そうか、あとで構ってくれるのか」とも思えない。「あとでね」と拒否された犬が認識できるのは、「今はダメだけどあとで構ってくれる」ではなく、「今はダメ」だけなんです。 そう思ったら、ヒザ乗せちゃうよね~~~。 ということで、その話をしてから、仕事中にひざに乗せろとせがまれた時のお断り率が異常に下がってしまったとそういう感じの最近なのでした。
by nanpei_yamada
| 2021-03-19 00:00
| 日記
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