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最近、サウザンブックスさんで『五月の鷹』のすこし前に開始されたプロジェクトを、そわそわしながら見守っています。
(どんな書籍かは、私が説明するよりも紹介文を読んでいただくほうが早くて確実です) 『我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)』翻訳出版プロジェクト 牽亡歌陣を率いる紅頭法師でレズビアン、 たばこをふかしながら麻雀に没頭し、 セクシーな女性の写真が印刷されたビンロウの箱をせっせと集める、 それが私の母です。(本文より) 私は実は、初めて行った時から台湾が大好きなんですが、紹介文の「ビンロウの箱」という単語で、台湾の光景とビンロウの香りがよみがえって不思議な感覚になりました。 あと、ビンロウの箱のセクシーな女の子の写真も思い出しました。 わかる。あれは確かに集めたくなる(笑 台湾に初めて行ったのは20代後半の頃です。いま48歳なので、もう20年も前です。 コミック系の商業イベント(ゲームショウのようなやつ)があって、そこでサイン会をするためにいきました。 マネージャーとして同行してくれた友人が台湾の文化に詳しく、その友人が案内してくれた現地の編集者の人に「ビンロウを試したい。どこで買えますか」と聞き、その時に私もビンロウを知りました。 ビンロウというのはいわゆる噛み煙草で、日本には持ち込みが禁止されている植物の種が原材料になっています。(検索するといろいろと、嗜み方や姿かたちなど出てきますので興味を持たれた方は調べてみてください) 友人にビンロウの買い方を尋ねられた現地台湾人の編集者さんは、驚いた後、とても嬉しそうにニヤニヤしてビンロウの買い方を教えてくれました。たぶん外国人が「納豆を試したい」と言い出したときの日本人もこんな顔するんじゃないかなという表情でした。 私も一個もらって試してみて、味は最悪だけど強い煙草を吸ったときのようなクラクラする感じは気持ちよく、なるほどこれは面白いなーと思いました。私はその一回でやめましたが、友人は気にいって滞在中嗜んでいました。翌日編集者さんが「ビンロウどうでしたか?」と尋ねるのに友人が「なかなか気に入りました」と答えると、編集さんは最初驚いたあと、また嬉しそうにニヤニヤ笑いました。 その後、台湾人編集者の方は、車での移動中にビンロウ小屋のそばを通過するたびに「ヤマダサン、ビンロウスタンドがありますよ!」と教えてくれて、私も見るたびにうわー!と喜んで窓に張り付いて観察したものでした。ビンロウは噛むと酩酊感と一緒に覚醒感もくるので、トラックの運転手の人が嗜んだりもするようで、だから高速道路の近くなどにあるんですよとその時は教えてもらいました。 ビンロウ売りを見つけるたびになんでそんなにキャッキャとはしゃいでいたのかというと、めちゃくちゃえっちな格好をしているかわいい女の子達がはちゃめちゃにサイバーパンクな感じのギラギラしたガラス張りの小屋で、つまんなそーーーにビンロウを売っている姿が最高にエモかったんです。(これは20年前の話で、最近は規制が厳しくなってあまり過激なコスチュームでの販売はされていないそうです。ちなみに売り子さんがエッチなかっこしてるだけでエッチなサービスはナシです) ガラス張りの喫煙コーナーのようなサイズ感の小屋はカラフルな蛍光灯で縁取られていて、それがネオンのように小屋の中と女の子を照らしています。露出度の高い格好をした若い女の子がスツールに腰掛けてお客を待っていて、車が小屋の前にとまってお客がビンロウを買おうとすると急にぱっと笑顔になって販売してくれるという。エモい……。ちなみにこれも「檳榔西施」(ビンロウ売りの女の子のこと)で画像検索したらいっぱい出てくると思います。 そしてこのビンロウがつめられているパッケージが、大体みんなかわいいくて露出度高い女の子の写真だったのです。(また台湾の女の子の可愛さってたぶん日本人の趣味にすごい近くて、ストレートにキュンとくるんですよ) ビンロウは上品な嗜好品とはいえないしろものです。そもそもが噛み煙草だし、噛んでいる最中の唾は化学反応で真っ赤になります。赤くなった唾は飲み込むと身体によくないので、噛みながら定期的に道端に赤い唾を吐き出さなければいけません。 そのビンロウを嗜むお母さん。 そしてその空き箱の女の子の写真を集めて喜ぶお母さん。 その人物描写に私は下品さではなく、なんというか台湾らしいおおらかさというか愛嬌というか、なんだかとても可愛らしさを感じてしまったんです。 私の台湾での数日間の滞在をずっとガイドしてくれたのは、現地台湾で台湾版『紅茶王子』を出版してくれていた出版社の編集さんたちでした。 イベントは台北でおこなわれたので私は台北に滞在しましたが、出版社自体は台南の会社でした。彼らはわざわざ私たちのガイドのために台南から台北に出向いてくれていて、しかも私を歓待するために美食温泉だったり私の行きたがっていた九分だったりを、前入りして下見してくれていました。20年前はいまほど九分は日本人に知られておらず、観光に訪れる日本人もほぼいなかったため、私が事前に「九分にいきたいです」と伝えていたことはとても喜ばれました。台南の方たちだから九分は地元ではないはずなのに、とても完璧なガイドをしてくれました。 彼らは、「台湾人も、北と南でだいぶ性格が違いますよ」と教えてくれました。多分、日本人の性格が東京と大阪で違うのと同じなんだろうなと思います。私を案内してくれた台南の編集者の人たちは、いつもニコニコ笑っていてとても陽気で、エネルギッシュで、ホントにいつも笑っていました。九分の狭い駐車場で私達の乗っていたバンを壁にぶつけて半壊させた時も「レンタカーだから大丈夫!」とみんなめちゃくちゃ笑っていました。車は後部ガラスがほぼ全部割れて全然大丈夫じゃありませんでしたが、バリバリに割れたガラスを「危ないから全部とっちゃおう!」とさらに粉々にして全部はがし、「動くから大丈夫!」と笑ってガイドを続けてくれました。 すごいな、逞しいな、なんでいつも笑ってられるんだ!?と思いつつ、南国気質なのかな、すてきだな、とも思っていました。 問題に対する乗り越え方が、日本人は丁寧で慎重で、台湾の人たちはエネルギッシュで前向きな感じがしていました。それはどっちがいいとか悪いとかではなく気質の違いなんだと思うんですが。 でもそんな台湾の人にだって、そりゃあ悩みはあるし、闇もあるし、乗り越えるにはあまりにも高すぎる壁だってある。しかもこの作品は、ひとの悩みの中でもひときわ繊細な、セクシュアリティと家族の問題です。 私が昔直接触れ合って「いいな、すてきだな」と思った台湾の人は、そういう乗り越えなければいけない壁にどうやって向き合うんだろうという興味が湧いたので、私はこの映画を観てみたいし、この書籍を読んでみたいと思いました。 あのかわいいお母さんはどんな闇を抱えていて、そしてそれをどう乗り越えようとしたんだろう。どう乗り越えたんだろう。 とても観てみたいし、読んでみたいです。 あと一ヶ月なんですね。 成立すると良いなあ。 ![]()
by nanpei_yamada
| 2020-10-18 00:00
| 日記
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