金マビにおける「年齢」の小ネタ

金マビの舞台は5世紀のブリテン島です。
当時の人々は年齢を「満年齢」ではなく、「西洋式数え年」で認識しています。

「西洋式数え年」と「満年齢」の違いは、

現代式満年齢 …… 生まれた時を0歳として、最初の誕生日で1歳になる。
西洋式数え年 …… 生まれた時を1歳として、最初の誕生日で2歳になる。

です。つまり、



（※実は西洋式の数え年と東洋式の数え年は数え方が微妙に違います。
　それはあとで書くとして）

西洋でも東洋でもなんで昔は数え年が使われていたのかというと、当時は「ゼロ」という概念が存在しなかったから、といわれています。

「ゼロ」の概念が発見されたのは6世紀頃のインド数学だったといわれていますが、それも一般的な認識にまで広がるのはその何百年も後で、そのため15世紀頃まで人の年齢は数え年で数えられていたわけです。
オギャーと生まれたその日から年齢をつける必要があるので、最初の年だから「1」歳なわけです。（なんでそんなに「ゼロ」の概念が発見されるのが遅れたの？という理由は、「ないものは認識する必要がなかったから見つけるのが遅れちゃった」ということらしいです。おもしろい）


ちなみにこの数え方、人間の年齢だけでなく西暦にも適用されています。
たとえば西暦125年だったら2世紀と呼びますが、「100年代なんだから1世紀のがわかりやすいのに、なんで2世紀っていうの？」なんて思ったりしたことありませんか。
これもゼロの概念がなかった（始まりは「0」ではなく「1」だった）ためです。

もっと噛み砕いて言うと、たとえば西暦125年を「2世紀」ではなく「1世紀」と呼ぶことにすると、西暦100年に満たない西暦58年とかを呼ぶときは「0世紀」と呼ばなければいけなくなります。この「ゼロ」という概念自体が存在しなかったから、西暦は「1世紀」から数えられ始める仕組みになっているわけです。

話がそれました！

というわけで、アーサー達は自分達の年齢を、「生まれた瞬間を一歳」として認識しているわけですが、彼らの「（我々にとっての）実年齢」を現代日本の学年にあてはめてみると、

アーサー　→　中学二年生
たまき　→　高校一年生
ガウェイン　→　高校二年生

ということになりますね。
たまきとガウェインが一学年しか違わないの笑える。


ちなみに最後に東洋式数え年についてですが。これは、

生まれた時を1歳として、最初の元日で2歳になる。

という決まりになっていて、満年齢とは最大二歳ずれます。
「生まれたときに1歳」で、「歳をとるのは誕生日ではなくて元日（そのあと本来の誕生日が来てもつぎの元日まで年はとらない）」というルールがあるため、たとえば「2018年の12月31日」に生まれた子が、生まれた翌日の「2019年の1月1日」に二歳になっちゃうわけです。

なんで！？と思いますよねｗ
「全員元日に誕生日迎えた方がわかりやすいじゃん？」という大雑把な理由なんだと思うんだけど、実際のところはどうなんでしょうね。

ちなみに日本ではこの東洋式数え年はもう厄年を調べる時くらいにしか使われていませんが、お隣の韓国ではまだ現役でこの数え年が使用されています。
だいぶ昔、25歳の時に韓国の雑誌の取材を受けて、記事を翻訳した日本語版を確認した時に、「27歳」と紹介されていたので「25歳です」と訂正したら、「韓国では数え年で数えるので27歳で正しいんですよ」と逆に訂正されてしまった経験があって、それで知ったのですが。

当時はまだ「え、そうなんだ…いっきにお姉さんになっちゃったな……」くらいで済んだけど、もし自分が28歳だったら30歳って書かれてたんだなおそろしい……！！と28歳になった時に気がついておののきましたｗ


以上、金マビにおける「年齢」の小ネタでした(*´▽`*)