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先日マンガParkで更新された「ガーヴァーンとアンチコニーエ」の話で原典に興味を持ってくれた幼馴染みの友人二人と、中世のドレスの話などをしたのですが。
まず自分はもう一般人ではないのだということを観念して認めますが、一般人である友人に「このまえ中世のドレスの着付け動画見たよ~(*´▽`*)」って言われた時に、申し訳ないと思いつつ「どの時代だろう」って聞き返してしまったんですよ。予想通り「え、ヨーロッパの中世だよ……」と返されるのですが。 まずヨーロッパの中世は5世紀から16世紀くらいまでって考えると1000年以上あるんですよ。びっくりですよね。日本の中世は12世紀から16世紀くらい(鎌倉時代から戦国時代くらい)までなので、4世紀くらいしかない日本と比べるとだいぶ長期間にわたるんです。「古墳時代から江戸時代初期の日本の着物っていいよね~(*´▽`*)」って言われたら、「待て待て広すぎる!」って思うじゃないですか……。なので中世ヨーロッパクラスタの人は、中世を「中世前期(5~10世紀)」「中世盛期(11~13世紀)」「中世後期(14~16世紀)」と三分割して考える傾向があります。 そして彼女の見た動画が一体中世のどのあたりの時期の着付け動画だったのか推理することになるわけですが、もしかしたら中世ではない可能性もある。(とりあえずマリー・アントワネットは中世の人じゃない)さしあたって「コルセットとかつけてた?」と聞いてみたら「つけてた気がする」と返されて一気に興味が半減したり……(ごめん) で話を戻すのですが。「ガーヴァーンとアンチコニーエ」の出典もとの「パルチヴァール」内の、そのうち金マビで描く予定のエピソードの話をしたら「なにそれちょう可愛い早く描いて」と言われて、そうだよねあの話を聞いてなにそれクソかわいいって思わない女子はいないよね!順調に行けば来年の春くらいには登場させられそうなので、がんばって休まず描くよ……! その話の中で、姫君が意中の騎士に自分の袖を渡す風習が重要エピソードとして語られるんですが、アパレルにお勤め経験のある友人が「大学で中世の服飾史をやってたとき、取り外しできる袖の話聞いたことあるよ!」と言い出し、別の友達(和裁士)が「それどういうつくりなの?」と興味を持ち、正直二人がこんなに食いついてくれると思わなかったので驚きつつなんだか凄い楽しくなってきて。 パルチヴァールは12、3世紀くらいの話だし、多分ショースという下着(長いパジャマみたいなワンピース肌着)の上にワンピースやブリオーという上着を着るんですが、それプラス取り外し可能な……着物で言ったら半襟的なオシャレアイテムの飾り袖的なものがあってそれをどうにかしたりすると思うんですよ。ショースの一部?を渡したりするケースもあるんだけど、飾りの袖を渡すパターンの方が多そうな気がする。他の作品で外出中に気がついたら袖だけなくしちゃってたご婦人の話なんかあったりするし、付け袖のほうはけっこう簡単に取り外しはできるらしい。それっぽいものは見る機会もあるんだけど、具体的な構造の資料がないから実際のつくりはよくわかんないんだよねという話をして。 「これかー」って言われて別の着付け動画をみんなで見て、そーそーこのあたり、でも付け袖はないねーと残念がったり、 そうしたら誰かが「こんなのあったよ!後ろのほうに袖の取り付け方の説明もあったよ!」と西洋服飾史の論文を見つけてきて、(「西洋服飾史に見られる女子服の袖の構成と機能に関する一考察」入来朋子) なにこれとても面白い……!!後半の付け袖に関してはルネサンス期に成立したタイプのもので時代ちがうけど理屈は同じだよね!あと着る時に袖だけ別に縫い付けるタイプのもあったんだなこれはこれで面白いな、時代ちがうけど……というかむしろこの論文は薔薇戦争クラスタの人たちがガタッと椅子を立ちたくなる資料なのでは……とかなった。PDFはこちらです。 「12世紀のは多分こういうのなんだよー」と、中世前期から盛期の写本や絵画のドレスの描写や、12、13世紀あたりの中世のコスプレをしているヨーロッパの趣味人の方々の写真などを見せて(そうこれこんな感じ!と思うものはドイツのコスプレ写真が多いんだけど、やっぱりドイツのドレスの特徴なのかな。※パルチヴァールはドイツの作品です)でもやっぱり細部の仕組みがわからねーんだよー!ともだもだしていたら、数十分後、和裁士の友達が大変清々しい様子で、 「その写真のやつ、多分こうなってる。 はースッキリした」 ……作ったの?!!! 笑ったしきれいにオチがついたw 実際に正しいかどうかはさておいて、とても楽しかった。 知らないことを多人数で調べながらあーでもないこうでもないするのって面白いですね。調べものはいつもひとりでするから新鮮でした。
by nanpei_yamada
| 2018-10-15 00:00
| 日記
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